世界的に活躍するアーティスト、イケムラレイコと塩田千春による初コラボレーションの秘話が待望の書籍化。『手の中に抱く宇宙 イケムラレイコ+塩田千春 対話集』が4月15日(金)より発売開始。
書籍・プロダクト企画開発
美術出版社(東京都品川区)は、イケムラレイコと塩田千春の初コラボレーションに至る作品制作の秘話を所収した『手の中に抱く宇宙 イケムラレイコ+塩田千春 対話集』を4月15日(金)に刊行いたします。
・本書概要
2021年春に名古屋のケンジタキギャラリーにて開催されたイケムラレイコ、塩田千春の二人展「手の中に抱く宇宙」。展示では、お互い初めての挑戦となるコラボレーション・ドローイングも出品されました。
二人は、ロックダウン状態が続く中、拠点とするドイツのベルリンで、お互いの家やアトリエを定期的に行き来し、対話を重ねてきました。本書には、その5回に渡る対話をまとめた「対話集」と二人展「手の中に抱く宇宙」出品作を所収しています。
対話では、コロナ禍での制作で思うこと、女性アーティストとして生きること、ベルリンの壁崩壊後のアートシーン、作品を言葉にすること、家族、日独の芸術教育、美術を教える側と教えられる側の考え、これからのアートマーケット等、作家たちがお互いの作品を見ながら意見交換をしたり、雑談をしながら、とてもリラックスした雰囲気で率直に語り合っています。
・中面紹介
作家が対話で述べている内容をイメージしやすいように、写真を所々に散りばめました。
「手の中に抱く宇宙」展の展示を追体験できる構成にしています。
イケムラレイコ、塩田千春の初のコラボレーション・ドローイングを掲載しています。
作家の略歴とこれまでの代表作品も所収しています。
・目次
夜明けの想い…イケムラレイコ
パンデミックのはざまで…塩田千春
第1回対話 2021年1月18日(月)夜
イケムラレイコ宅にて二人で食事をしながら
第2回対話 2021年1月28日 (木)夜
塩田千春宅アトリエスペースにて
第3回対話 2021年2月9日(火)夕方
塩田千春宅アトリエスペースにて
第4回対話 2021年2月16日(火)夕方
イケムラレイコ自宅にて
第5回対話 2021年2月23日(火)夜
塩田千春宅アトリエスペースにて
Gallery floor 1
Gallery floor 2
Gallery floor 2 (window-side)
図版リスト
手と石と魂と宇宙の結びつき…飯田志保子
イケムラレイコ 略歴
塩田千春 略歴
・プロフィール
イケムラレイコ
美術家。三重県津市生まれ。1970~72年大阪外国語大学(現、大阪大学)スペイン語科に在籍後、1972年にスペインに渡り、1973~78年にセビリア美術大学で学ぶ。1980年からスイスで本格的に美術家としての活動を開始し、1986年からはドイツを拠点に活躍。作品は絵画、彫刻、ドローイングと多岐に渡り、国境や文化を越えてジェンダーや自然、生命の根源、そして宇宙へのつながりを描き出している。30年以上にわたって世界各地の美術館で数多くの個展を行い、2019年には過去最大の個展となる「土と星 Our Planet」を国立新美術館(東京)にて開催、その成果から令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
同年「新しい海へ」と題してバーゼル美術館(スイス) へも巡回された。2021年にはイギリスで初の個展となる「うさぎ・イン・ワンダーランド」をセインズベリー・センターにて開催。
現在はベルリン、ケルンを拠点にしている。1991~ 2015年ベルリン芸術大学(UdK)教授。
2014年~現在、女子美術大学大学院美術研究科客員教授。
[個展](※抜粋)
2022年 「Riding the Waves」(ティム・ファン・ラエレ・ギャラリー、アントワープ、ベルギー)、「クジャクが翼を広げるとき」(ヘルベルト・ゲリッシュ財団、ノイミュンスター、ドイツ)
2021年 「HERE WE ARE」バレンシア科学とアートの美術館(バレンシア、スペイン)、「うさぎ・イン・ワンダーランド」セインズベリー・センター(ノリッジ、イギリス)
2020年 「東から東へ」ロストック・クンストハレ(ロストック、ドイツ)、「光を讃えて」聖マテウス教会(ベルリン、ドイツ)
2019年 「新しい海へ」バーゼル美術館(スイス、東京から巡回)、「土と星 Our Planet」国立新美術館(東京)
2016年 「かたちの詩学」ネヴァダ美術館(リノ、アメリカ)、「そして急に風向きが変わる」ハウス・アム・ヴァルトゼー(ベルリン、ドイツ)
2015年 「少女と虎のすべて」ケルン東洋美術館(ケルン、ドイツ)
2014年 「PIOON」ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)
2013年 「アイ・ミグレーション」カールスルーエ州立美術館(カールスルーエ、ドイツ)
2011年 「うつりゆくもの」東京国立近代美術館(東京)、三重県立美術館(三重)
2008年 「昼、夜、半月」アラーハイリゲン美術館(シャフハウゼン、スイス)
2004年 「彫刻、絵画、ドローイング」クンストハレ・レックリングハウゼン(レックリングハウゼン、ドイツ)他巡回
2001年 「数光年」ローザンヌ州立美術館(ローザンヌ、スイス)
2000年 「地平線を越えて」豊田市美術館(愛知)
1999年 「けれども地平線に光あり」メルボルン・インターナショナル・バイアニュアル 1999コラボレイティング・カントリー・プロジェクツ日本パビリオン展(メルボルン、オーストラリア)
1994年 「イケムラレイコ」ギャラリー・カールステン・グレーヴェ(パリ、フランス)
1990年 「アルプスのインディアン」佐谷画廊(東京)
1987年 「イケムラレイコ 絵画・ドローイング 1980年~1987年」バーゼル美術館(バーゼル、スイス)他巡回
[受賞歴](※抜粋)
2020年 令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣賞(日本)
2014年 ケルン・ファインアート賞(ドイツ)
2009年 アウグスト・マッケ賞(ドイツ)
2001年 ドイツ批評家賞 視覚美術部門(ドイツ批評家協会、ドイツ)
1983年~84年 ニュルンベルク市の美術家賞(ドイツ)
塩田千春
1972年、大阪生まれ。ベルリン在住。京都精華大学洋画科専攻。在学中にキャンベラのオーストラリア国立大学美術学部へ交換留学。卒業後ドイツへ渡り、ハンブルク造形美術大学、ブラウンシュヴァイク美術大学、ベルリン芸術大学で学ぶ。生と死という人間の根源的な問題に向き合い「不在の中の存在」をテーマに作品を制作。大規模なインスタレーションのほか、立体、写真、映像など多様な手法で作品を発表している。2015年、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本代表作家に選出。2019年、25年の活動の集大成となる自身最大の個展「魂がふるえる」を森美術館で開催。その後アジア・太平洋地域を巡回している。2020年より多摩美術大学EWS特任教授。
[個展](※抜粋)
2022年 「多様な現実」システアナ美術館(コペンハーゲン、デンマーク)
2021年 「境界をたどる」エスポー近代美術館(エスポー、フィンランド)、「つながる命」カールスルーエ・アートアンドメディアセンター(カールスルーエ、ドイツ)
2020年 「時間の交錯」ニュージーランド国立博物館 テ・パパ・トンガレワ(ウェリントン、ニュージーランド)
2019年 「命の糸」ブラジル銀行文化センター、サンパウロ、ブラジル[巡回展:ブラジリア(2020年)、リオ・デ・ジャネイロ(2021年)]、「どこかにいる私」ベルギー王立美術館(ブリュッセル、ベルギー)、「記憶を数えて」シロンスク美術館(カトヴィツェ、ポーランド)、「塩田千春展:魂がふるえる」森美術館、東京[巡回展: 釜山市立美術館、釜山、韓国(2019年)、台北市立美術館、台北、台湾(2021年)、龍美術館、上海、中国(2021年)]
2018年 「身体化したかたち」南オーストラリア美術館(アデレード、オーストラリア)、「その距離」ヨーテボリ美術館(ヨーテボリ、スウェーデン)、「時を超えて」ヨークシャー彫刻公園(ウェイクフィールド、イギリス)
2017年 「ディレクション」コーデー・ベルゲン美術館(ベルゲン、ノルウェー)、「皮下に」クンストハレ・ロストック(ロストック、ドイツ)
2016年 「鍵のかかった部屋」KAAT神奈川芸術劇場(神奈川)
2015年 「長い一日」K21−ノルトライン・ヴェストファーレン州立美術館(デュッセルドルフ、ドイツ)、「掌の鍵」日本館、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(ヴェネチア、イタリア)
2014年 「オーバー・ザ・コンティネント」スミソニアン・サックラー・ギャラリー(ワシントンD.C.、アメリカ)
2013年 「ありがとうの手紙」高知県立美術館(高知)
2012年 「私たちの行方」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川)
[受賞歴](※抜粋)
2019年 第61回毎日芸術賞
2015年 第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館代表
2008年 平成19年度芸術選奨文部科学大臣新人賞
・書誌情報
『手の中に抱く宇宙 イケムラレイコ+塩田千春 対話集』
著者|イケムラレイコ、塩田千春
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売|美術出版社
定価|3,000円+税
仕様|A5変型、並製三方断、クータバインディング。箱入り。320頁。
ISBN|978-4-568-10542-1
一般発売日|2022年4月15日
先行販売日|銀座 蔦屋書店 2022年4月2日
ご購入はこちら|https://www.amazon.co.jp/dp/4568105420