作品集『Meet the KEMONO: eye contact』
書籍・プロダクト 企画開発
動物を擬人化、あるいは人間を擬獣化した「ケモノ」を生み出す。美術作家・堀本達矢による初の本格的ケモノ作品集『Meet the KEMONO: eye contact』を刊行。
ケモノ美術作家・堀本達矢による本格的な作品集。初期には、「ケモノ」になりたいという変身願望を満たすべく、自毛を一本一本埋め込んだ作品や、胎内回帰によってケモノに生まれ変わる作品を制作していた堀本。大学在学中から幾多の賞を受賞し、注目されるが、ケモノになれなかったショックと「毛」ばかりが取り上げられることへの違和感から、毛の表現を封印。球体関節人形の技術を用い、石粉粘土で滑らかな肌感に仕上げた新たな作品へと変化した。本書では、アニメや漫画に出てきそうな親しみやすいケモノから、ギリシャ彫刻のように神格化した表現、または魅惑的な姿態に惑わされるセクシーなケモノなど、初期から最新作までを所収。
カタカナで表記する「ケモノ」とは、人間以外の動物に人間の感情、感覚、言語、外見、身振りなどを含ませた擬人化表現、または人間に動物のような感情、感覚、言語、外見、身振りなどを含ませた擬獣化表現のこと。
ケモノは私たち人間との関わりが深く、その歴史は旧石器時代から現代に至るまで続いている。芸術や宗教から始まり、童話や商業、憧れや欲望の対象など、今でも世界の様々な場面で目にするケモノたちは、人間社会と切っても切れない関係と言えるだろう。
そんなケモノに幼い頃から興味と憧れを抱いていた堀本は、ケモノに対する人間の心理に着目している。ケモノ表現の歴史研究や制作背景を語った対談は、「ケモノ」に関する理解を深める内容となっており、ケモノ愛好家や美術愛好家にとって、新たな発見となるだろう。
中面紹介
本書は、初期から最新作まで約40点の作品を掲載。ケモノの表情のアップから、段階的に全体を見せるレイアウト構成となっており、観るものと見られるものの眼差し(eye contact)が交差する。巻末には、ケモノ表現の歴史から現代のケモノ界隈のカルチャーを振り返り、ケモノとは何かという原点、今後の作品展開についての展望を語った対談を所収している。
《me》2012年 ケモノになりたいという「変身願望」を投影し、作家の自毛を植毛した初期作品。
《leave》2016年 ケモノになれなかったショックと「毛」ばかりが取り上げられることへの違和感から、毛を封印しなめらかな肌感の表現へと変わる。「変身願望」から「ケモノと人間」を考える契機となった作品。
《taboo》2020年 人間にとってタブーでもある異種族へのセクシャリティーを引き起こし、「ケモノ」を全く知らない人にも新しい扉を刺激する作品。
《curiosity》2021年 鑑賞する人間もケモノに見られており、お互いの好奇心と視点がぶつかることで、あらゆる想像を巡らせる作品。
【目次】
[作家のことば]堀本達矢
【特別対談:堀本達矢×竹藤狐】曖昧な「ケモノ」の輪郭をなぞる
作家プロフィール
文献リスト
作品リスト
書誌情報
『Meet the KEMONO: eye contact』
著者|堀本達矢
発売日|2023年2月6日(月)
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売|美術出版社
定価|本体7,000円+税
仕様|A4変形(W220 × H297)、上製、ジャケット、箔押し、176ページ予定
※仕様・デザインは変更になる可能性があります
ISBN|978-4-568-10554-4 C3070