2022年10⽉8⽇（土）から10月19日（水）の期間に、1950年代から福岡を拠点とし⽇本美術の⼤きな潮流をつくった前衛芸術家グループ「九州派」の代表メンバーとして活動したアーティスト桜井孝⾝（1928年〜2016年）と、⽗である孝⾝とともに渡⽶し幼少時から絵筆に囲まれて過ごしアーティストとして活動する息⼦、櫻井共和の⼆⼈展を開催した。

 

桜井孝身は、アメリカでビートニックやヒッピー運動に⾝をおきながら、ハイカルチャーやサブカルチャーの区別なく、⽣きるということが芸術であるという信念の元、⽣活者としての芸術を追い求めた。

彼の指導を受けた共和は、孝身を慕うメンバーたちに囲まれる独特な環境で育つ。16歳で孝身とともに渡米し、ヒッピー文化を背景に、ビートニクの詩人であるアレン・ギンズバーグとの出会いや、その他の生活体験など、多感な時期に大きな影響を受けながら美術の道へ進み、渡仏を経て帰国後は九州を中心に作品の発表を続けている。

東京では初の二人展となる本展では、孝身による1970年頃からの力強い平面・立体作品と、絵画を分離・純粋化したのちに何層もレイヤーを重ねて描かれた共和の作品を展示。歴史的に価値のある作品の数々が並ぶ貴重な内容となった。