作品集『Rock is Dead』
書籍・プロダクト 企画開発
2021年にbiscuit galleryにて開催された「Rock is Dead」と、2022年、Tokyo Opera Cityにて開催された「project N 85 水戸部七絵 | I am not an Object」。大きな反響を呼んだ二個展の出品作を中心に構成した水戸部七絵初の作品集。
ロックスターを描きながらアートの現状に切り込み、一方でSNSで見つけた世界のニュースを、興味の赴くままに切りとります。模索を続けながら、意欲的に発表を続ける水戸部七絵の魅力に迫る待望の一冊。
水戸部七絵の制作スタイルがうかがえるアトリエの写真からスタートする作品集。全編アグレッシブな水戸部の魅力に満ちています。掲載作品は115点を数え、時折、クローズアップも交えて、迫力ある作品の姿を収録しています。荒木夏実(キュレーター/東京藝術大学准教授
)と、畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)がそれぞれの論考で、水戸部七絵の作品、その世界を読み解きます。また水戸部自身へのインタビューから構成された文章は「水戸部七絵をかたちづくるもの」と題され、作家自身に迫る内容となっています。
■「ロックの歴史に見られる、ノイズや他の文化を積極的に取り入れて新しい音を求める動きと、その一般化や商品化による消費という、2つの力の往復。この消費による表現の形骸化と、そこから逃れようとする意志は、まさに水戸部がアートに感じる危機感であり、可能性だった」 ―本書「水戸部七絵をかたちづくるもの」より抜粋―
■ 生前、人種的な葛藤や容姿にまつわる噂が絶えなかったこのポップスターを、映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(2009年)の場面をアイコン的に描くことに始まり、現在まで、水戸部は繰り返し作品に登場させている。この対象との出会いは、その後、著名人の肖像を多く描く出発点にもなった」 ―本書「水戸部七絵をかたちづくるもの」より抜粋―
■「2020年に制作が開始された「Picture Diary」は、同年からのコロナ禍のなかで生まれたシリーズだ。移動の制限で海外に行けず、アトリエに籠るようになった水戸部は、この頃から日常的に広く海外のニュースをリサーチするようになった」 ―本書「水戸部七絵をかたちづくるもの」より抜粋―
・プロフィール
水戸部七絵
神奈川県 生まれ。
2011 名古屋造形芸術大学(現・名古屋造形大学)造形学部洋画コース卒業
2022 Academy of Fine Arts Vienna、交換留学予定
2021- 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 油画第一研究室 在籍
■個展
2022
「WAR IS NOT OVER」(void+、東京)
「project N 85 水戸部七絵|I am not an Object」(東京オペラシティ アートギャラリー)
「I am not an object」(gallery 5 、東京)
2021
「I can’t speak English!」(NADiff a/p/a/r/t Gallery、東京)
「Rock is Dead」(biscuit gallery、東京)
2019
「I am a yellow」(Maki Fine Arts、東京)
2018
「DEPTH – Blue Pigment-」(gallery N、愛知)
2016
「水戸部七絵 展 MITOBE Nanae Exhibition」(gallery21yo-j、東京)
「DEPTH – Tranquil Pigment- 」(gallery N、愛知)
「APMoA , ARCH vol.18 『DEPTH – Dynamite Pigment -』」(愛知県美術館)
2014
「ABRAHAM」(LOOP HOLE、東京)
「水戸部七絵展」(現代HEIGHTS Gallery Den. ST、東京)
■受賞歴
2021 「VOCA展2021 現代美術の展望 ─新しい平面の作家たち─」VOCA奨励賞
2019 ホルベイン・スカラシップ 奨学生
2013 「熊谷守一大賞展」入賞
2011 「千代田芸術祭2011 アンデパンダン」講評会ゲスト O JUN 賞受賞
・書誌情報
『Rock is Dead』
定価|6,600円(税込)
仕様|A4変型/120ページ
ISBN|978-4-568-10547-6
店頭先行発売日|銀座 蔦屋書店 2022年7月30日(土)
一般発売日|2022年8月9日(火)
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売|美術出版社