CCC ART LAB

展覧会「WALLAby / ワラビー」

運営店舗 場所:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM

店内のイベントスペース「GINZA ATRIUM」(ギンザアトリウム)にて、現代美術作家のシェアアトリエ兼展⽰スペース「WALLA」のメンバーによるグループ展を開催いたしました。
 
「WALLA」を拠点とする作家は武蔵野美術大学大学院の出身である大石一貴、大野陽生、前田春日美、そして東京芸術大学大学院に在学中の吉野俊太郎の4名です。「WALLA」はコインランドリーの併設されていた一軒家を改築して造られました。一見、住宅街の中に溶け込んでおり、外見からはアートの拠点のようには見えません。従来はギャラリーが作家の展覧会を企画したり、作家が展示スペースを一時的に借りて展示を行っていたりしたものを、彼らは「WALLA」を通して、自らの作品発表はもちろん、さまざまなイベントや企画展などを行い、SNSなどを活用しながら文化発信を行っています。
 
このたびの展覧会は、⼀軒家を借り切り「場」を持つことで⾃分たちの⼿で直接発信を⾏う彼らと、彼らが招待した2名のアーティストの作品を通して、現代アートの潮流やムーブメントを探る試みとなりました。

【作家紹介】

大石 一貴 Kazuki Oishi
1993年山口県生まれ。2018年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻彫刻コース修了。主な展示に、2017年連続個展企画「、むしろ例えてしまう」より個展「 同じレベルのオーボールラトル」(東京造形大学ギャラリーmime)、2018年2人展「フィクションアンドペースト」金真希/大石一貴(Art Center Ongoing)、2019年グループ展「PACK2019: STATION!」(Post Territory Ujeongguk)など。2018年の「武蔵野美術大学卒業・修了制作展」では優秀賞受賞、同年「CAF賞入選作品展覧会」において海外渡航費授与者に選出。2019年「群馬⻘年ビエンナーレ2019」では優秀賞を受賞。

 

大野 陽生 Haruki Ohno
1992年埼玉県生まれ。2017年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻彫刻コース修了。主な展示に、2017年個展「EXODUS」(Gallery b.tokyo)、2017年連続個展企画「、むしろ例えてしまう」より個展「HOAX」(東京造形大学ギャラリーmime)、2018年個展「NEIGHBOR」(代田橋納戸gallery DEN5)、2018年グループ展「共同体について」(URANO)、2018年グループ展「TRACTOR BEAM vol.1 ataxia」(芸宿)、2018年グループ展「small good things」(HAGIWARA PROJECTS)、2019年グループ展「腕の向き、膝の位置」(gallery TOWED)、2019年グループ展「TRACTOR BEAM vol.2 -TALISMAN-」(WALLA)などがある。

 

柿坪 満実子 Mamiko Kakitsubo
1993年東京都生まれ。現在東京藝術大学美術学部彫刻科に在籍中。主な展示に、2019年学内研究展「にんげん」(東京藝術大学)、同年渋谷のthe Virgin Maryにて開催されたグループ展「SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL」に参加、2020年グループ展「萬猫展」(フリュウギャラリー)など。他、2019年には教皇フランシスコ来日に合わせて製造されたオフィシャルメダイの原型を担当するなど、メダル制作にも携わっている。2019年東京藝術大学久米桂一郎賞奨学金を受賞。

 

コムラマイ comuramai
1993年徳島県生まれ。2016年に関西学院大学文化歴史学科美学芸術学専修を卒業後、博報堂プロダクツに就職、翌年フリーランスカメラマンとして活動を開始。主な展示に、2019年個展「come closer」(飯島商店)や、2020年個展「come closer ⅱ」(plateau books)などがある。2017年には「第53回神奈川県美術展」写真部門にて準大賞、翌年 「第54回神奈川県美術展」写真部門では大賞を受賞する。2019年に第一作となる写真集「come closer」を発刊。

 

前田 春日美 Kasumi Maeda
1991年東京都生まれ。2019年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻彫刻コース修了。主な展示に、2017年連続個展企画「、むしろ例えてしまう」より個展「短い手」(東京造形大学ギャラリー mime)、2018年グループ展「彫刻と対話法Ⅳ 揺さぶられる作意」(府中市美術館 市民ギャラリー)、2019年グループ展「でんちゅうストラット 星をとる」(小平市平櫛田中彫刻美術館)などがある。2018年「武蔵野美術大学卒業・修了制作展」では優秀賞を、2019年「群馬⻘年ビエンナーレ2019」(群馬県立近代美術館)では奨励賞を受賞。他、2019年にD.A.AURA(韓国)でのレジデンスプログラムに参加。

 

吉野 俊太郎 Shuntaro Yoshino
1993年新潟県生まれ。2019年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。現在は東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程に在学中。2017年、卒業制作作品「門」にて首席。同年、Royal Academy Schools(英国)へ交換留学。主な参加展示に、2018年のグループ展「でんちゅうストラット」(小平市平櫛田中彫刻美術館)、2019年グループ展「別人」(芸宿)、2019年のグループ展「東風」(武蔵野美術大学 及 東京造形大学)など。2020年3月、WALLAにて「嘔吐学vol.1 ユー体、後ケイ」を企画開催。

【展示について】

“WALLA”とは団体名でなく、共有された場所の名前であるーー創⽴時からそういった意識だけは僅かに共有している4⼈のWALLAメンバーは、各々の作品制作の思考や運営の意⾒に全くまとまりがないバラバラの状態であることをむしろ好意的に受けとめています。当初は共同アトリエとして、それが次第に作品展⽰やイベントのための場としても機能を持ちはじめた時に、WALLAはある種のバラバラの外部性と、ノリ/軽薄さを恒常的に抱えることとなりました。本展「WALLAby / ワラビー」では、普段WALLAに出⼊りをしている4⼈とは別で新たに、柿坪満実⼦(彫刻)とコムラマイ(写真)の2⼈のアーティストを招待した展⽰構成となっています。所在地の⼩平市仲町を会場としない本展にとって、WALLAとはもはや名⽬に過ぎません。だからこそ中央区銀座へと出張した4⼈は今回“WALLAによる展⽰”ではなく、 “…によるWALLA、の展⽰”を構成してみせようと試みます。全員での濃密な議論があったわけでもなし、何か⼤きなイデオロギーがあるわけでもなし、ただWALLAの主意が団体にはないことの証として、互いに顔を⾒合わすこともなく、好きなことを好きなように実現させる。そうした個々の好き勝⼿ソロプレイの果てに、今回の「WALLAby」は6⼈という数字に相成りました。
そもそも“WALLA”とはそのような、⼀時の間だけ共有される空気感、あるいはそこから唐突に発せられたちょっかい(がや)に冠される名詞です。ある時は展覧会、またある時はレクチャーやワークショップなどといったイベントで、(あるいはしばしば飲み会などで、)その時々によって多様な⼈物がWALLAを合⾔葉にして集合することができる。本展では、そうして作り上げることのできる、刹那で軽薄な景⾊の⼀端を披露いたします。

 

展示者一同

【展覧会概要】

会期|2020年7月10日(金)〜19日(日)

主催|銀座 蔦屋書店

協力|WALLA

担当|CCCアートラボ 小林

PICK UP

CONTACT

CCCアートラボでは、各種お問い合わせ内容を受け付けております。