【BIGBOOK】奈良 古色大和路
書籍・プロダクト 企画開発
奈良・大和路の多彩な風物に宿る古代の人々の心。
その美しさを余すところなく捉えた入江泰吉の代表作を、大画面で存分にご観賞ください。
入江泰吉(1905~1992)は、奈良大和路の風物とそこに息づく歴史、表情豊かな自然をこよなく愛した写真家でした。戦災に遭い、ふるさと奈良に戻ったときから、奈良大和路を生涯のテーマとして選び、約半世紀にわたり情熱と愛情をもって取り組んできました。そしてその奥深い魅力を写真に表現し数多くの秀作を世に発表してきました。
堂塔がある風景や祈りの仏像、万葉びとが心かよわせた山や川や花、そして記紀にまつわる神話伝承など、伽藍や仏像、風景から自ずと醸し出される余情や歴史の気配といった眼には見えない特有の美を追求し、日本の心をとらえることに意を注いだのです。
入江泰吉は奈良大和路への想いを次のように記しています。
大和路には、歴史のなかに生きた人たちの、つまり、われわれの祖先の心が宿っているのです。そう感じながら見るから、大和路は美しいのです。私は三十年間、大和路を主として写し続けてきましたが、風景でも寺院でも仏像でも、このあたりにある一木一草に至るまで、すべて古代人たちの心が宿っているのだ、という気持ちを抱きながら、シャッターを切ってきました。(『大和路遍歴』法蔵館 1981年より)
本書では入江泰吉の初期から晩年にいたる代表作の数々を収録。BIGBOOKならではの大きな写真で、入江泰吉が奈良大和路に見た日本の心の風景を感じ取っていただければ幸いです。
【一般販売価格】:360,000円(税抜)
著者:入江泰吉
仕様:上製本/ケース入
判型:690mm ×500mm
頁数:250ページ 刊
行日:2020年3月29日
ISBN: 9784866950105
【入江泰吉(いりえ たいきち)】
1905(明治38)年、奈良県奈良市に生まれる。長兄より譲り受けたカメラで写真をはじめる。
1931(昭和6)年、大阪に写真店「光藝社」を開く。
1940(昭和15)年、世界移動写真展で「春の文楽」が一等賞を受賞、文楽の写真家として活躍。
1945(昭和20)年3月、大阪大空襲で自宅と店舗を焼失、奈良へ引き揚げる。同年11月17日、疎開先から戻る東大寺法華堂四天王像を目撃、アメリカに接収されるとの噂を聞き、写真に記録することを決意。以来、奈良大和路の仏像、風景、伝統行事の撮影に専念。晩年には「万葉の花」を手がけるなど約半世紀にわたって奈良大和路を撮り続けた。『大和路』『古色大和路』『萬葉大和路』『花大和』『佛像大和路』など、大和の美をとらえた写真集は多数にのぼる。
1992(平成4)年1月16日、86歳で逝去。同年4月、入江泰吉の全作品を収蔵した奈良市写真美術館が開館。 第24回菊池寛賞受賞、勲四等瑞宝章受章、第19回仏教伝道文化賞受賞他。