CCCアートラボ≪Might Be Classics≫プロジェクト第4弾は、保良雄「クズとクズ」。草の住処と人の営みの関係性を見つめる。フォレストゲート代官山 屋外エリアにて3月25日(月)より展開。
CCCアートラボ
渋谷広域圏においてにぎわいをつくることをめざし取り組みが始まった「まちづくり協定」。その一環としてCCCアートラボでは≪Might Be Classics≫プロジェクトを企画しています。その第4弾として、代官山駅前の商業施設「フォレストゲート代官山」の屋外エリアにて、アーティスト・保良雄(やすら・たけし)の作品「クズとクズ」を、3月25日(月)~5月8日(水)にかけて展示します。作品発表の期間中、4月23日(火)には、トークセッション&DJイベントを予定しています。
アーティストステートメント
諸説はあるようだが、国立環境研究所のデータによれば私たちがよく知るクローバー / シロツメグサが初めて渡来したのは、1846年にオランダからの献上品として運ばれてきた陶器への詰め物としてである。その後、牧草、緑肥、緑化用として仲間たちも入国を果たし、現在では帰化植物として全国で平穏な生活をしている。 秋になると黄色い花を咲かせるセイタカアワダチソウ、彼らは観賞用、蜜源植物として1900年代に北アメリカから入国したと考えられている。後者として優秀であるため、一説では養蜂業者が1940年代に積極的に種子を散布し爆発的に増加、現在では帰化植物として全国に分布している。しかし根や地下茎からアレロパシー物質を分泌する為か、外来生物法によって要注意外来生物として認定され、世間から厳しい眼差しを受けることがあるようだ。 日本の在来種である葛。彼らのことについては万葉集にも多く関連する歌があり、古くから日本人の身近に存在していた。根や茎や葉は葛粉や葛布、漢方の葛根湯の素材として使われており私たちの生活に浸透している植物であるが、1940年代の時期を前後して、私たちが周囲の植物を利用しながら自然と共存していた状態から、先進国の異なる生活様式にのまれていく過程で、彼らとの距離は遠くなった。 そんな彼ら葛も、1876年にフィラデルフィア万国博覧会の際に初めてアメリカを訪れる。その後、彼らは過酷な環境でも生きていけることを見込まれて、斜面の土壌流出を食い止める依頼を受けて海外移住することになる。1946年までに推定120万ヘクタール(野球場が約120個分)の面積が彼ら葛の定住先として与えられた。しかし、定住先を与えるだけで、その後のコミュニケーションを取らなかった為、彼らは生息範囲を拡大していき材木用の樹木に這い登り、木材産業に壊滅的な影響を与えたり、電信柱に這い登って送電線を機能不全にするなどした。奨励金を設けてまで迎えられた葛だったが、今日ではアメリカでの侵略的外来種ワースト100に選ばれているのである。
アーティストプロフィール
保良雄(やすら・たけし)
©︎Kito_Natsuko
フランスと日本を拠点に活動。2018年、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2020年、École nationale supérieure des beaux-arts修了。テクノロジー、生物、無生物、人間を縦軸ではなく横軸で捉え、存在を存在として認めることを制作の目的としている。2018年ポートランドのアーティスト・イン・レジデンス「END OF SUMMER」に参加。
〈主な展覧会〉
2023年「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」森美術館(~2024年)
2024年「エコロジー:循環をめぐるダイアローグ つかの間の停泊者」銀座メゾンエルメス フォーラム
2021年「Reborn-Art Festival 2021-22」宮城
2021年「Le 65e Salon de Montrouge」パリ など。
展示詳細
会期|2024年3月25日(月)~5月8日(水)※最終日は変更の場合があります。
会場|Forestgate Daikanyama 屋外エリア(喫茶室/ Mary Jane 横)
東京都渋谷区代官山町20-12
時間|7:00~24:00(屋外のため随時鑑賞可能)
入場|無料
企画制作|CCCアートラボ
共催|東急不動産株式会社
宣伝美術 | PRETEND
●イベント開催の予定
会期中、会場にてイベントを開催します。最新情報につきましては下記のURLからご確認
ください。随時情報発信いたします。事前申し込み不要です。
オープニングレセプション|3月26日(火) 18:00~20:00
トーク&DJイベント|4月23日 (火) 19:00~22:00
Instagram|https://www.instagram.com/mightbeclassics/
≪Might Be Classics≫ とは
東京、渋谷の「これまで」を見つめ、
「これから」を見据え、
明日からの生活へ示唆を与えてくれる。
その示唆の先にあるものが、100年後の定番や常識、
あるいは伝統かもしれない。
そんな気になるアート、そういうのもアート、
というプロジェクトです。
≪Might Be Classics≫第1弾 菅野歩美「明日のハロウィン都市」
≪Might Be Classics≫第2弾 光岡幸一「魂心の一撃」
≪Might Be Classics≫第3弾 渡辺志桜里「BLUE」
「まちづくり協定」とは
詳細はプレスリリースをご覧ください。
https://www.ccc.co.jp/news/2023/20230530_002524.html